
SF、ファンタジー、ホラーを中心とした短篇集です。
Pick Up [ひとり]
悲しさと虚ろさを感じさせる風景描写は網の目のように細かく繊細。物語性もしっかりとしていて、最後の1行のオチは実に爽快です。
私のお気に入りのテキストの1つになりました。

そうそう、人はどうしようもないくらいどうしようもないものだった。それにもかかわらず人はただただ生きる。生まれること、死ぬること、そのあいだを生き続けること。たといどうしようもない絶望の下にあってさえ明日は今日よりは幸福と願い信じて生きる。そうする中には、いつか少しの優しさやら愛やらに触れることもあって、ああ、人間はやはり良いものだと思うこともあるのだろう。
自分の命について深く考えさせられる。
自分の背中は自分でじかに見れないように、この作品も不思議ともどかしく感じる(良い意味で)。その怪訝な感情こそが自分のたった一つの命の正体なのかなあと考えさせられました。

日常にある陰の部分を書き出した。大切な場所で感じたことを忘れたくないから。
日記だと思いますが、日々苦悩に悶える著者さんの心情が記されています。皆さんもこのような体験をされているかと思います。是非共感を感じてみてはいかがでしょうか?
短編である以上、どこまで話を簡潔に、同時に重厚に書けるかが腕の見せ所だと思います。私は寝る前に読んだのですが、読んでいて飽きるというのは無く、むしろテキストに引き込まれていくような感覚です。ジャンルは統一されては無く(個人的に)あらゆる人が読めそうに感じました。