mogera
タイトル 方丈記 現代語訳 (あやまり堂訳)
その10
とにかく風が強いから、火から離れていても煙にいぶされるし、火に近ければ、もう、ひたすら炎が地面まで燃やすほどに吹きつけた。
空にはすさまじい勢いで灰が舞い上がり、そこに炎の色が映って、辺り一面、もう真っ赤。
そのすごい炎が風にちぎれて、かるがると隣町やその隣町まで飛び越えて、燃え広がるような感じで、いやはや、そんなところを逃げ惑う連中は、生きた心地がしなかっただろうて。

原文
遠き家は煙にむせび、近きあたりはひたすらほのほを地に吹きつけたり。空には灰を吹きたてたれば、火の光に映じてあまねくくれなゐなる中に、風に堪へず吹き切られたるほのほ、飛ぶが如くにして一二町を越えつゝ移り行く。その中の人うつゝ(しイ)心ならむや。

メディアコード: TXP28160
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